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がん疼痛治療普及研究会とは

 日本ではがん疼痛で苦しんだまま亡くなった方は40%を超える。厚生労働省はがん診療拠点病院に対して神経ブロックや放射線治療などを導入するように通達を出しました。

 ところが、20年間の緩和医療の推進の陰で、がん疼痛に対する神経ブロックを実施できる医師が激減してしまった。依頼しようにも実施できる技術を持った医師が居なくなってしまったのである。専門的技術を持った医師の不足が大きな問題となっています。

 ある遺族が言った。「がんで亡くなった主人はどこの病院でも痛みの治療法はないと言われてふたりで彷徨った。最後まで痛みと闘ってくれる医師を育ててほしい」と。

 今、若い医師らは学びたくても指導してくれる医師が近くに居ないというジレンマに陥っています。そういった全国の若い医師のもとに熟練医師を派遣し、その施設で技術や経験を継承し、技術伝承の種を植えていくことが我々の使命としています。

 外部から医師を自施設に招聘するには、交通費、宿泊費、診療報酬などが必要となり、これが障壁となることが多いのです。当研究会はその費用をすべて負担し、指導や施術を希望された施設に、研究会に登録された熟練医師を無償で派遣することができます。

​ 我々は非営利団体であり、その資金は、がん疼痛に対する神経ブロック等の大切さを経験した遺族の篤志と、こういった教育が今後の日本のがん治療に重要であると考えを同じくする医師そして代表理事の私財によるものです。

 技術を伝承され、自身の病院や地域でその専門技術を施術、そして指導できると認められた医師には、研究会に登録していただき、他施設に教育指導に行った場合はその派遣費用を負担します。

 30年前の日本は、すべての大学病院や大規模病院にこういった治療ができる麻酔科医が居たと記憶しています。薬物療法だけに頼るがん疼痛治療が優先されたこの25年の間に、みな引退し、手技から離れ、後進を教育することもできないまま、消えつつあります。我々の活動は、荒廃した土地に種を植え、芽を育てることです。そして咲いた花はきっと周囲に種をまいてくれることでしょう。全国のがん患者がどこに居てもこの治療を受けることができるようになった時、我々の使命は達成されたものと考えます。

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活動内容

 当研究会は、がん疼痛に対する神経ブロックや薬剤使用に関する情報の普及、麻酔科医・ペインクリニック医への技術指導、医療従事者・一般の方々への教育講演等を無償で行う事業です。

1)ペインクリニック技術の継承

 自施設でがん疼痛に対するインターベンションをしたいが、自身で行ったことがない、近隣に指導者が居ない、自分で技術を学びたいと思ったとき、日本でがん疼痛に対して豊富な症例数(神経ブロック、脊髄鎮痛法など)をこなしている医師を日本のどこにでも派遣します。

2)がん疼痛患者に対しての技術実践依頼

 自施設に麻酔科専門医、ペインクリニック医師が居ないが、がん疼痛で苦しんでいる患者に対して神経ブロック等を実施してもらいたいときに熟練医師を派遣します。

3)医療従事者に対する講演指導

 医師、看護師、薬剤師等を対象に院内講演会・勉強会、地域研究会などでがん疼痛に関する講師を呼びたいと思ったとき、要請があれば当研究会の講師を派遣します。

4)患者会などでの講演

 がん患者会など一般の方々の勉強会や講演会などの集会に、がん疼痛に関する講演講師を呼びたいときに講師を派遣します。

5)次世代指導者の育成

 当研究会が指導した医師で今後継承指導できると認めた医師は希望があれば社員として、指導に出張したときの諸費用ならびに、技術・学術向上のために必要な経費を負担(学会参加など)します。

​​

注1)すべての派遣に関する交通費、宿泊費、診療報酬、講演料などはすべて研究会が負担し、依頼する側の費用負担はありません。北海道から沖縄まで、地域を問わず派遣します。

注2)診療行為を行う場合は、事前に院内で派遣医師が診療行為を行える許可を取得してください。また使用物品・薬剤は事前に相談の上、自施設で用意していただきます。​​

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活動内容詳細

・技術指導:

  医療従事者に対し、がん疼痛治療の技術を指導
・啓発活動:

  がん疼痛に対する神経ブロックや薬剤使用に関する情報の普及
・教育講演:

  医療従事者や患者会向けの教育講演の実施

技術指導

がん疼痛治療普及研究会では、若手麻酔科専門医、ペインクリニック専門医に対し、がん疼痛治療に対するインターベンション全般について技術を指導していきます。

啓発活動

がんの痛みには麻薬性鎮痛薬などの薬物療法以外にも神経ブロックや脊髄鎮痛法があることを医療従事者に伝えていきます。

教育講演

医療従事者や患者会向けの教育講演を通じ、がん疼痛治療の重要性を広く啓発し、我々の経験を交えて医療従事者だけでなく、患者さんやご家族の知識向上に貢献します。

その他活動

がん疼痛治療の専門的治療を伝授し、その技術を継承した医師に一定の条件下で、学術支援を行います。また当研究会の目的と合致するがん疼痛治療に関する研究に関して、審議の上、活動費や研究費を助成します。

最新情報

最新のイベントや講演情報など、がん疼痛治療普及研究会の活動に関する情報を随時更新しています。

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